2015年05月31日
「フューリー」製作その3

第2回から履帯もエッチングもようやく形になったので「フューリー」製作の続きです。

履帯の製作ですが以前紹介したアーマーモデリングno139(履帯特集)を参考に作っていきたいと思います。

履帯のパーツは上下組み合わすタイプで、これをひたすら作っていきます。
接着の際、流し込みタイプのモノを使いますが、本にあるように筆を使って塗ると作業がしやすいです。
流し込みタイプの備え付けのものですとハケが小さいので筆の方が塗りやすく効率的です。
これを連結させて重量感のある撓みを演出させます。

いくつか数を作っていきますと履帯が曲がっていきますのでこのような長細いベースに両面テープを敷き、真っ直ぐになるよう作っていきます。
両面テープはこのままだと接着力がありますので、手などでベタベタと貼ったり剥がしたりして接着力を弱めときます。
そして履帯の噛み合わせ部の接着ですが、ここはホントに難しかったです。
接着して放置しっぱなしでも履帯は曲がってくれませんし、早い時間ですとポロポロと履帯がとれてしまいます。
いろいろ失敗を重ね私的には5分ぐらいの硬化でちょうど良かったなと感じます。

そして転輪に巻き込むように接着しましたら完成となります。実車同様、リアルな撓みが再現されたと思います。
T66履帯はタスカ以外にも何社かキットが出ているそうで、再現性の高さからいってタスカに軍配が上がるそうです。
本では高石誠氏によって細かく見比べ検証されていました。
ちなみに履帯キットで有名なモデルカステンからはT66履帯の販売はされてないようで、出ているのはT48、49、51、54、62と前期タイプのみだそうです。


次にエッチングとなりますが、私はこのボイジャーモデルのキットを使用しました。
アヴェールのエッチングと同等の豊富さでM2ブローニング、アンテナ基部、牽引ロープまであります。
M4は他にもエデュアルド、パッションモデルからエッチングが発売されております。
どちらもボイジャーに比べて豊富さは劣りますが値段が1000円台と手頃ですので、うれしいところです。


エッチングは実車写真をみながら作っていきます。開閉ハッチのスプリングまわりはまさにエッチングならではの精緻さといったところです。

映画の劇中、ブラピがアンテナをグイグイ動かしてたアンテナはアドラーズネストのものを使用しました。


このようにアンテナ基部が可動し非常にリアルです。


エッチングつけ終えた全体になります。
砲身はアルミ削り出しのLion mark modelのものを使用しました。
今回、エッチング作業にあたってアーマーモデリングno150を参考にしました。


作業工程の写真が多く、一つ一つの作業について使用する道具といった丁寧な解説がついております。
エッチングのハンダ付け作業も基本からみっちり解説があり大変勉強になります。
下手なOOOの教科書といったhow to 本買うよりこちらの方が値段も安くおすすめだと思います。
次回、雑多の荷物、丸太などといった小物を中心により映画のフューリーっぽく仕上げていこうかと思います。
<おまけ>


映画フューリーをみて、私はどことなくパンツァーフロントを思い出しました。
パンツァーフロントは90年代後半ぐらいに発売し、破壊描写や操作性などムダにリアルなクオリティで戦車マニアを夢中にさせ話題となったゲームです。ゲーム自体もクリア不可避なミッションが多くゲーム性としてもやりごたえがあります。
特に防御力と攻撃力の劣るシャーマンでティガーと対峙する場合、88mm砲食らって一発炎上、こちらの砲弾はことごとく弾き返されるという始末で、映画と同じく1台倒すのにかなり苦労した覚えがあります。
映画フューリーをみて戦車に興味を持ちましたら是非ともやって頂きたいゲームです。
映画と同じ緊張感がこのゲームで体感できると思います。
2014年11月29日
「フューリー」製作その2

「フューリー」の公開がようやくとなりましたが、タスカのイージーエイトを購入しました。
エアガンもそうですか、模型も秋葉原で買うのが一番おすすめだと思います。一般的なものならヨドバシ、アソビット、タムタムとありますし、廃盤など中古のプラモはリバティー、レオナルドで買えることができます。また海外の製品やコアなパーツを求めるなら駅前のイエローサブマリンとありますので、大抵のものは全て秋葉原で揃えることができるといえそうです。


イージーエイトを購入して、いざ製作に移ろうとしましたが今月13日発売のアーマーモデリングの記事によると映画に出ているフューリー号はM4A3E8ではありませんでした。
登場する戦車はM4A2E8でディーゼル仕様のシャーマンになります。外国で主に使用されロシア、中国、英国などで活躍した戦車になります。そのE8ですので増加装甲に伴いHVSSのサスペンションを搭載したものになります。
フューリーの映画ではイギリスにあるボービントン博物館が全面協力しているみたいで、その関係からか、外国仕様のシャーマンが登場していると推察されます。

アーマーモデリングではこのM4A2E8を作るために車体、エンジン部にはタスカのM4A3E8、上面部にはM4A2とニコイチで作られています。
ニコイチにするには車体に大幅なカスタムをする必要で、高度な技術が求められます。
また、この戦車の特徴でもある排気デフレクターはスクラッチビルドをする必要があり、大変な作業が伴います。
そのため映画仕様のM4A2E8を作るには素人の自分には厳しそうで、このままM4A3E8を作ることにしました。
映画ではアメリカで編成された第2機甲師団がモデルですので、史実的にはこちらが正しいみたいです。
またE8の履帯も戦中ほとんどの戦車に配備されたT66のままにすることにしました。映画のT84履帯は朝鮮戦争時によくみられ、戦後、日本に支給されたイージーエイトもこちらの仕様になっております。

ということでイージーエイトの製作にとりかかりたいと思います。タスカはリアルということもあってパーツ点数が多いことで知られています。一方でパーツ同士の噛み合わせがよく、作りやすいことでも評判があります。
ただ私自身、かなり久しぶりにプラモを作りますのでHow to本をみながら作っていきたいと思います。
まずニッパーを使ってランナーからパーツを切り離していきます。

残ったゲートはデザインナイフで切り落とします。

パーツを切り出しましたらゲート跡、パーティングラインを平ヤスリで整形していきます。
このとき平ヤスリは上下に動かすのではなく、一方の方向に向けてゆっくり削るとキレイに処理ができます。

小さいパーツや壊れやすいパーツに関しましては、ランナーに残すか、接着して後で削るかなどの方法がやりやすいです。

流し込みタイプなどを使ってパーツをつけていきます。

車体には最近、主流の瞬間接着剤を使ってみました。
そうすることで歪みもなく、カッチリした作りになりました。


とりあえず細かいパーツをとばして大まかな部分を作り終えました。
次回はエッチング、履帯の製作に取り掛かりたいと思います。
2014年10月29日
「フューリー」製作その1

来月の28日は映画「フューリー」がようやく公開となります。今回はそれに合わせてM4A3E8、通称イージーエイトをできるだけリアルに作ってみたいと思います。
メジャー系の作品としましては、バンドオブブラザーズ以来となる、約10年ぶりぐらいのヨーロッパ戦の巨編となります。しかも、登場する戦車のほとんどが博物館にある実車とコレクターの持ち物ばかりという、戦車好きには夢のような大変観る価値の高い映画となっております。


劇中に登場するイージーエイトの特徴としましては、ざっくばらんに置かれた荷物、側面の丸太、泥だらけの履帯、ヘッドライトに掲げられたドイツ軍ヘルメットとマスク、砲塔上面に搭載された12.7mmと7.62mmのブローニング、FURYと描かれた砲身といった具合でしょうか。
この辺りの特徴を捉えて、うまく再現できればなと思います。

来月の13日にアーマーモデリングで「フューリー」の特集号が出るそうですが、家にある本でイージーエイトと関係ありそうなものを探してみました。
- 月刊グランドパワー M4A3シャーマン特集号-ノルマンディー上陸時から朝鮮戦争まで、時代ごとのM4A3が紹介されている本。博物館にある実車の写真や当時の戦闘中の写真が多く掲載されてるため、既製品にはないディテールアップを施すとき重宝します。
- 月刊アーマーモデリング(no139~143,145)-精密な模型造りとして知られる高石誠氏によるイージーエイト製作の連載がある号。主に模型に実在感を出すカラーモジュレーションの技法は勉強になります。
- 月刊アーマーモデリング(no136)-アントニオ・M・テリオ氏によるヨーロッパ戦線のジオラマが掲載されている号。森に佇むイージーエイト、緊張した戦車兵、それに続く随伴歩兵が映画の雰囲気に近く、ジオラマを造る場合、参考になります。
イージーエイトはタミヤ、ドラコンなど様々なところからでていますが、巷でリアルと評判なタスカで作ってみたいと思います。
次回、製作に取り掛かりたいと思います。
<おまけ>


自分が模型にはまるきっかけとなった奥川泰弘氏の作品です。「MILITARY DIORAMA WORKSHOP」という本に掲載されたもので一際ポップな作風に惹かれた思い出があります。
ミッキーマウス、雑誌プレイボーイ、コーラのポスター。アメリカを代表とするアイコンが、作品にキャラクターをもたらしてくれます。
全体的にビビットの色調でラギットな世界観がみていて小気味良くさせてくれます。




現在はdoozyというブランドを立ち上げ、AFVのジオラマは作っておりませんが、遊び心溢れるユニークな作品は今でも顕在です。
車がメインで人はほとんど登場しませんが、小物の存在で人の生活感の匂いをただよわせ、温かみのある作品となっております。造りとしましてはヨーロッパのドールハウスに近い印象をうけます。
氏の製作過程はdoozyblogというブログと「Landscape Creation」という本でみれますので、興味のある方は是非、みてみて下さい。